RTCカンファレンスVol.22 『メディアの今後』に行ってきました。
リアルなメディア(新聞)とネットメディア(ネットニュース)とソーシャルメディア(ブログ)の三つ巴の
ゲストを迎えた、これからのメディアについて語る会。
全体的に持った印象は、それぞれがそれぞれの立場で、各メディアの利点、欠点を
良く理解しているということ。それを実践しないのは、それなりのバックグラウンドや
事情があるというだけで、意識としてはほぼ同じと思ってよいんじゃないか。
もちろん、スピーカーの方たちはそのあたり良くご存知の方なのだと思いますが、
それにしても、互いのメディア事情に詳しかった。
業界としては、ゆるやかに「融合」しながら移行していくのは間違いなさそうです。
それぞれの理解が無いと、どっかを買収とか、むりやり合併とかそんな話も生まれそう
ですが、メディア(広告代理店は除きますよ)は過渡期なんだなーと実感しました。
あと、最後のワークで「お悔やみ」を活用した総務アウトソーシングサービスを
藤代さんと議論。そのうちやりましょう。
以下メモです。
1.紙メディアを作ってる人はソーシャルメディアをどうみてる?
(重森さん)
個人的には前向きにやっているほう。
紙の人たちとは温度差が大きい。
見出しは著作権があるとか、著作権問題がある。
日経の記者が、日経の外に出てしまって、いろんなコメントが
つくのは嫌がる。個人的には引用されて何ぼだ。
リアクション、影響力があるという価値がある。
SBMで何百もブックマークされてるほうがモチベーションがわくという
人もちょっとはいる。しかし、営業的な観点からは、
ネットに出して儲かるの?というところが疑問としてある。
ネットの中でもジャーナリズムが回っていく
編集や営業たちをうまく説得できていないというのが現状。
2.紙メディアの絶対的な強みは?
(重森さん)
信頼性。それに尽きる。
編集的には、書いてもらって、デスクが見てリリースするが、
紙は何十の人が見てからでる。
組織ジャーナリズムの強さがある。
記者1400人くらいいて、べったり企業にへばりついている
その状況は強いと思う。
取材を受ける側も日経に対して話しているという安心感もある。
顔の見えて中での取材。
営業的には、日経、、、、
検索連動広告でブランド広告ができるんですか??という問い。
信頼を得るには手間がかかる
3.紙メディアの抱えている最大の課題は?
紙メディアの信頼性やセキュリティを背負っていて、
webでやりたいことはほとんどできていない。
なかなか世の中で最初にそれをやったとか、そういうことが
できないし、外部のプロに任せるわけにもいかない。
システムの担当も新聞世代だ。
ネットのシステムについても、大丈夫か?
時間の流れ方が違う。
新聞向けに書いていて、そのままwebに出してもつまらなかったりする
ネットにはネットの書き方、出し方がある。
4.ウェブメディアの強みは?
(吉岡さん)
速報性。904の発表会。15時10分には出る。
いくらでも詳しく書ける
蓄積ができる、アーカイブがかんたん。
5.これまでの10年ネットの発展の中でどのようなミッションをおってきた?
(吉岡さん)
もともとパソコン雑誌が母体。
ネット技術の発展とともに来た。
昔は小さくて、軽い画像でやってた。
今はちょっとぐらい重くてもキレイでよかったり、
動画だったりする。
たちいちを明確にして、フットワークを軽く書くってのが良いんじゃ?
6.ソーシャルメディア、ユーザ参加とはどのように付き合っていく?
(吉岡さん)
技術の進化とともに、来たといっているが、
もっとも親和性があるのがwebメディアだ。
だんだん、変わってきている。参加型にしていたり、
ユーザの反応を見ながら記事を書くといったこともしている。
日本の場合、取材の敷居が高い。
記者クラブに入れない。
日本では個人でやるのはかなり大変だと思う。
7.ソーシャルメディアって何?
(徳力さん)
双方向。
会話。
カンバセーショナルメディアという言い方をする人もいる。
もともと、視聴率とかTVは一方通行だったが、
ソーシャルメディアはN対Nで双方向でやってる。
⇒2chはソーシャルメディアですか?
広くは入るんじゃないかな?
8.ソーシャルメディアの強みと弱みは?
ブログはメディアとして書き始めない。
日記とコミュニケーションとメディアとして。
有名ブログはメディアとして機能するが、
敷居が低い。それが育っていって、メディアになる。
アルファブロガーたちは、自分のメモとして書いていて、
それがそのうちメディアになっていったというのがほとんど。
誰でも入ってこれるというところが、強み。
⇒メディア化ってなんですか?
1対Nになった瞬間がメディア化ということでよいんじゃないかな?
9.ソーシャルメディアとしてのキモは?
(徳力さん)
儲からない。
設けようとしている時点で分が悪い。
adinnovatorの織田さんとか、ブログで知名度をあげたりとか、
お金を設けようとしないというところが大事。
既存のメディアビジネスと考え方を変える
10.メディアはどのようにすみわけ、融合、淘汰される?
(重松さん)
あまり世の中に出ている人を発見して生きてだす
(吉岡さん)
完全な融合っていうのはないんじゃないかと思う。
それぞれ、合わさっている部分はあるけど、
誠ははじめから両方を意識している。
新聞を読まなくなった層に対して発信しているので、
既存の紙メディアにのっているような内容にしている
うまく取り入れつつやる。
(徳力さん)
割合の話だ。すでに融合していると思ってる。
ソーシャルメディアで有名になった人が、コラムを書いているとか、
すでに融合している。
メディアビジネスとしてどう運営していくかが大事。
既存のメディアが新規メディアを引き抜くというのを良くやる
マスメディアがすべてソーシャルメディアになっていく。
日経の記者がかいた
編集委員やオピニオンはある。
全部新聞社がソーシャルメディアっぽい機能をいれていくというのが
(重松さん)
自分のブログとマスメディアと書き方は違うんですか?
(徳力さん)
ブログ的にしかかけない。
時間があまりない。だから、有名な人のブログをちぇっくしたりする
そういうことを新聞社とかがやっても良いんじゃないか。
11.それぞれがそれぞれに一言。
(重松さん)
本当だったら、読み売りや朝日がライバルになるんだけど、
itmediaとやっていることが重なることが多い。
新聞の切り口が本当に古いので、ネットの切り口やネットの報道を
ITmedhiaには見せ続けて欲しい。
ソーシャルメディアでもどんどん批判とかやりとりを
して欲しい。紙で書いている記者はネットの議論に入れるかと
いうと忙しくて入れない。altanativeメディアとして、
社会的に必要なものとして認識。続けられるようなソーシャル
メディアってなんだろうというのを考えて欲しい。
(吉岡さん)
webメディアが持っている話題は趣味が多くて、
それ以外のものは弱い。wikipediaは項目によっては弱い。
なので、それ以外の部分でおっかけていくのは新聞だったり、
TVだったりするんじゃないかと思ってる。
ソーシャルとはほぼ同じです。
(徳力さん)
もっとかまってよ。
既存メディアとはつながっているんだから、日本ブロガーとかにも
注目をしていってほしい。
質問1
30年後の紙メディアの読者はどれくらいになっていますか?
(重松さん)
人間の情報処理能力を考えると、限界があるが、
総量は変わらないのではないか。
(吉岡さん)
webやってると紙媒体にかなわないところが多いのが分かる。
読みやすさだったり、まとまっている度合いだったり。
ほとんどが広告費で成立している。
(徳力さん)
5年くらいでよいんじゃないかな?
質問2
仕事以外で発信したりメディアに触れたりしていますか?どんな?
(重松さん)
発信はしようとしてしてたが、あきらめた。
家に帰ったら、あんまり見ない。
(吉岡さん)
個人ブログはやっている。
200人くらいだけど、仕事と区別がつかなくなってくる。
前はモバイルを書いていたが、誠をやってから何を書いても
よくなったので、つらくなってきた。
(徳力さん)
ブログでもそれぞれテーマを分けて書いている。
平日はPC、週末はワールドビジネスサテライトやNHKを4倍速で見てる
メディアって、『その事を知らない人に、伝える』という役割があると思います。
しかし、その信憑性は、昨今いろいろと問題になっています。
また、ビジネス誌矢新聞を読んでいても、『本当にそうなの?』と疑念を抱くような、フィルターを掛けている(もしくは掛かってしまっている)記事をよく見かけます(特に自分の所属している業界の記事など)。
つまり、1対N型のメディア(新聞、TV)などは、規模も大きく話題のカバレッジも広く、とても有益ですが、ともすると、製作サイドのバイアスが強く出る可能性あり、物事の本質を見誤る可能性もあると考えます。
一方、N対N型のメディアは、多数の人がその「ある事」について見方、考え方を書いてくれることにより、よりバイアスの少ないないように修正してくれる可能性を秘めたToolではないかと個人的には思っています。弱点は、ブログにも書かれていますが、話題のカバレッジが狭いことでしょうか?
メディアとしての信憑性、信頼性ということが問題なのであれば、
話題のカバレッジとは別に考えるべきではないですか?
どっちがより便利?という議論なら話は別ですが。
ブログなどのツールによって、よりかんたんにだれでも
考えを発信できるようになったことで、視点が増えたと
考えればよいのだと思います。
新聞にしたって、TVにしたって、より正確な情報を手に入れようとするなら、
いろんなソースにあたらないといけないわけで、そのソースのひとつとしてブログが成立しつつあるということが大事で、
結局「信頼のおける」意見も「信頼のおけない」意見も自分で租借して
解釈、理解しなければならないという根本は変わってません。:??
なるほど。
ネットにしてもネット以外の既存のメディアも、ひとつひとつの情報の信頼性については大差がないということですね。確かに、現状のネットを見ているとその通りかも知れませんね。
ネットは上にも書かれているとおり、色々な視点からのコメントがある、つまり様々な意見の中でより自分が「信頼にたると思われる」情報を取材することができる一方で、新聞やTVは、ネットと比較すると「その情報をそのまま受け入れる」ことが多いような気がします。確かにより正確な情報を得ようとすると一次資料などに当たらなくてはいけませんが、現在の世の中を見てみると、(自分も含めて)新聞、TVなどの情報を鵜呑みにし過ぎていると思う今日この頃です。
つまり、ネット上では色々な視点を持つユーザーの情報から、演繹的により正確な事実を得ることが可能なToolということでしょうか?