オークションの理論価格(実証編)その2

さて、ちょっと間があいてしまったが、(ヒロトチさんごめんなさい)
データも完成したことだし、オークションの理論価格の算出にとりかかろう。
一応、ワタクシの作ったデータをそのままおいてみる。
ここに至るまでの参考にしていただきたい。
4.実際に理論価格を出すために、回帰分析を行う。
ここでは回帰分析の中でもヘドニックプライスモデルを利用する。
つまり、被説明変数にプライスをおき、説明変数にその商品や財の機能などを
入れることで、商品価格を割り出すものだ。
(よく物件や電化製品に使うが、異なる製品間の差をみるのに適している)
この場合は、すでに購入する商品AVIC-ZH009は決まっているので、
紛らわしい、ビーコンやオービスROMなどを他の変数として表現することで、
実際のナビ単体の理論価格を算出する。
エクセルの「ツール」から、分析ツールを押すと、
(表示されない場合は、おなじく「ツール」の中にあるアドインを選んで分析ツールをアドインしてしまおう)
分析ツールというダイアログがでるので、「回帰分析」を選択。
navi_auction02.jpg
続いて、変数を選択するダイアログがでるので、
「入力:Y範囲」には、(実際に観測された)落札価格の列のすべてを、(エクセルではD2~D54)
「入力:X範囲」には、それぞれの価格を構成する変数のすべてを、入れればよい。(E2~I54)
最後に、出力オプションでは、同じシートの適当な場所を選択する。(今回はK2)
それでOKを押すと、回帰分析結果が表示される。
navi_auction04.jpg
このデータで出る回帰分析結果。
navi_auction03.jpg


あまり難しくしてしまうのも、趣旨から反するので、簡単に説明すると、
左下にある、切片、X値1、X値2、X値3、X値4とあるが、これで、
(オークションの落札価格) = 切片 + X値1(bits(入札回数) + X値2(ビーコン) +X値3(オービスROM) +X値4(落札月)
という式が導出されることになる。
この式に現在争っているオークションでの変数を入れてしまえば、
理論価格が決定される。
つまり、
AVIC-009新品で、
入札回数が5回
ビーコンつき
オービスROMつき
落札月は6月
ということが分かっていれば、そのオークションの落札理論価格は、
(落札理論価格)= 209344-72×5回+23706×1個+4145×1個-4206×6
          = 211,597
となるので、落札理論価格は21万だ。
この式が真実をあらわしていれば、ナビ単品では20.9万円、
入札回数ごとに72円マイナスされ、ビーコンは23706円、オービスROMは4145円、
時系列トレンド(時間がたてば安くなりますから)は一月4145円だ。
すると、残り2日も残して、すでに21万円を超えているオークションは割高であることに気づいたり、
ビーコンは実は14900円で売っているし、
オービスROMも2350円で売っているので、ビーコンやオービスROMつきの案件は、割高であることがわかっちゃったりする。
それだけで、かなり使える。
とまあ、こういう使い方ができる。
ちょっと今回は見慣れない言葉や式が出てきて混乱しているかもしれないので、
このへんまで。次のエントリで式の精度をあげるために、ちょっとした工夫(統計では必須ですが)をしてみましょう。